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おはな畑

第1章 宇髄夫婦



「ひなちゃん、夏樹と傑と今度旅行行くんだって。その予定を立てるんで、五条の家に来てたらしい」


「あら、そうなの。どこに行くって?」


「それがな、あいつら全然ダメで……」




ソファーでお酒を飲みながら、夜のまったり夫婦時間。

達弥は私に昨日の話を聞かせてくれて、




「覚えてるか? 昔、一緒に海行っただろ。そこ行って来いって、予約してやったんだ」


「もちろん覚えてる。あの時、私幼かったわよね。達弥がいなかったら、きっと看護師辞めてたわね」


「初めて祥子に手を焼かれたな」


「付き合ってそんなに経たない頃だったから、面倒な女だと思ったでしょ」


「何言ってんだ。思ってたら、あの時あんな風にしてると思うか? それに、今もこうして一緒にいないだろ」


「そう? 私は、自分で自分が面倒くさかった……」


「看護師なって2、3年目だ。仕事に慣れて出来ることも増えるけど、まだまだ一人前でない自分の未熟さや無力さを痛感する。それは誰もが通る道だろ? 一生懸命悩む祥子は、むしろ可愛いと思ったぞ」




と、思い出話に花が咲いていると思いきや、




「ま、今が一番可愛いけどな」




達弥は私の胸に手を伸ばした。


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