
おはな畑
第1章 宇髄夫婦
「ちょ、ちょっと……! もう、さっきしたじゃない!」
「な〜に、嫌か?」
「んっ……」
嫌じゃないけど……なんて言う隙も与えぬまま、達弥は私にキスをして、
「祥子。俺、今日なんで工藤に当直押し付けたと思う?」
「なんでって……というか、当直押し付けたの!? それ、ただのパワハラじゃない。工藤先生可哀想よ」
「んぁ? 工藤と俺の間にパワハラなんてあるか。俺の仕事任せてもらえて嬉しいって、あいつは心の中でそう思ってる」
「そんなこと言って、いつか愛想を尽かされるわよ」
「大丈夫だ。愛想を尽かすどころか、益々興味示してるぞ。だってあいつ、当直代われって言ったら、祥子とどうだったか教えろって言うんだから」
「どうだったかって、何がどう……きゃっ!」
意味のわからないことを言いながら、達弥は私をソファーの上で押し倒す。
そして、私を見つめ下ろす達弥の顔は、もうすっかり雄の顔。
「俺、今日は祥子を抱くために帰って来た」
「え?」
「五条とひなちゃん見てるとな、祥子のこと、無性に抱きたくなって……」
「え? 何でそうな、んぅ……っ」
完全にスイッチが入ったらしい達弥は、私の唇を塞ぎ、
「だから、祥子に言われなくても、無茶苦茶にするつもりだったんだ……祥子が欲しくて体が疼く……今夜は、寝かすつもりないからな……?」
「んっ…………ぁ……達弥、んんっ……」
まるで飢えた吸血鬼のように、
耳に、首筋に、そして胸に……
甘く強く吸い付いた。
