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おはな畑

第1章 宇髄夫婦



「何泣いてる?」




祥子の目が赤い。




「どうした?」




聞くと祥子は、




「泣いてないわよ」




と言うが、祥子の異変を俺が見逃すわけない。




「泣いただろ。目赤いぞ」


「さっき、ちょっとゴミが入って」


「もうちょっとマシな嘘つけ……」


「本当よ。別に泣いてない」


「じゃあどうした」


「何が」


「何かあっただろ」


「ないけど」


「祥子」


「もう。だから本当に何もな……っ」




何を意固地になっているのか。

腕を振り払い部屋に逃げようとする祥子を、俺は胸に抱き寄せた。


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