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おはな畑

第3章 Diamonds



そして、




「それと……悠仁、これ」




藤堂先生が白衣のポケットから何かを出して、俺の手のひらに乗せた。




「ん? これ……って、ひなの……!」


「ダイヤモンドが強いって本当だね。ひなちゃんをオペ室に送った後、現場に応援で戻ったの。そしたら、ひなちゃんが倒れてたそばにキラッと輝くものがあって。ガラス片も無数に散らばってたけど、光り方がどうも違う気がしてさ。近づいて見たらそれだった」




藤堂先生が俺の手に置いたもの。

それは、ひなの誕生日に俺がひなへ贈ったブレスレット。




「俺もバタバタしてて、拾ったそのままだけど」


「いえ、十分過ぎます。ありがとうございます……」




拾ったままだというブレスレットは、チェーンが切れたり潰れたり、血や砂もたくさん付いてボロボロに。

だけど、ダイヤモンドの粒だけは傷付いていない。

汚れてこそいるものの、磨けば綺麗になる。元通りに輝いてくれる。

そんな状態で残ってくれた。


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