
おはな畑
第3章 Diamonds
すると、神崎先生は、
「あのさ、今の話聞いての思いつきなんだけど、せっかくならネックレスとかにしてもらったら?」
「えっ? ネックレス?」
「うん。そのブレスレットが大切な物だったのは百も承知だよ。だけど、どれだけ元通りに直したところで、ひなちゃんに贈ったものとは違うものになるわけじゃん? それならいっそ形を変えて、だけど一部はそのままっていう方が、なんだかドラマがあって良くない?」
と、俺が思いつきもしなかったアイデアを。
「それに、同じブレスレットだと見るたび思い出す可能性もあるからさ。ひなちゃんの精神的ダメージがどの程度かまだわからないけど、幸せな思い出と事故の思い出があるのも複雑でしょ。だったら、さっき言ったみたいに、"事故に遭っても傷ひとつ付かなかった、そのダイヤモンドで作ったネックレス"にする方が、ドラマチックでいいと思うんだよねっ!」
