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若者の事情

第1章 自立

一台の車が、歩いている私の横について止まった。
ボディだけでなく窓までフルスモークの、明らかにヤンチャなセダン。

「なにしてんの~?」

窓が開いて、案の定な男が2人、顔を覗かせた。

運転席の男は、ブラウンの長い髪に、サングラス。体格もがっちりめで、一見強面。

助手席に乗っている男は、金色の短髪に、口にピアスをした男だった。運転席の男に比べて細身の、the草食系(見た目がね)
どちらかといえばこっちの方がタイプだ。

「帰宅中~」

「学校? 仕事?」

「仕事~」

「超ダルそうじゃん! 遊ばね?」

助手席の男と目が合った。男は口元をニヤつかせていたけど、目が笑っていなかった。

「……いいよ~」

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