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若者の事情

第1章 自立

車に乗り込むと、ヤン車独特の香りが鼻をついた。
あまり長く乗っていると具合が悪くなりそうだ。

「どこいく? カラオケ?」

「んー…なんでもいい」

「仕事で疲れてんだねー大変だねー」

「…そうでもないよ。さっき辞めたし」

「え~!? 何それ超ウケんじゃん! さっき辞めたの? 俺らタイミング良すぎじゃね?」

助手席の男は、後部に座っている私の方へ振り返り、「もっと詳しく聞かせてよ、おもしれ~」とか言いながら、座席を倒して後部へきた。

そして私に密着する体制で隣に座ると、膝に乗せていた私の手を取った。

「今日は嫌なこと忘れて楽しもうぜ」

「そうそう!」

運転席の男が言うのと同時に、金髪の男とキスしていた。

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