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このインモラルで狂った愛を〜私と貴方の愛の手記〜

第4章 予期せぬ婚約




「リディは知らないだろうけど、あの辺りは物騒な事件があってね……。ドゥーラなら警備も万全だし、安心なんだ」

「物騒な事件……?」

「ああ……。六年程前から、複数の若い女性が行方不明になっているんだ。ここ数年は落ち着いていたようだけど、つい先日、町娘が行方不明になったらしい。幸い、町娘しか被害は出ていないようだけど……貴族だからといって、安心できるわけではないからね」

「そんなことが……っ」

「怖がることはないよ、リディ。俺がいる限り、そんな危険な目には合わせやしないから。……ほら、リディの好きなチョコでもお食べ」

「……ええ、お兄様」


 兄から聞かされた話しに恐怖しながらも、どこか自分とは無縁のように聞こえたその話しにそっと蓋を閉じると、差し出されたお皿から一粒のチョコを取り上げた私は、その綺麗に装飾が施されたチョコを自分の口の中へと運んだのだった。



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