
エッチな女子高生は年上がお好き
第4章 お近づきの印に
ライブはあっという間に終わってしまった。初めは行くつもりもなくて、下心できたものの、思い出に残るような素敵なステージだった。
会場は熱気に包まれたまま、余韻を深めるような音楽を垂れ流している。観客はみんなそれぞれに、バーカウンターに並んだり、固まって仲間と喋ったり、ざわざわと落ち着きがない。
私は大音量にやられた耳の違和感を意識しながら、ぼんやりと会場を見渡す。それでもやはり人は多くて、トイレやロッカールーム、物販など行き場が多すぎる。
やっぱ出逢えないよなあ、とため息をつく。
少ししょんぼりしながら、でもライブの余韻に浸りながら、感傷的な気分でドリンクを受け取り、物販に並ぶ。
仕方ない、と割り切りながらも、目はキョロキョロと花木さんの姿を探す。
でも見つかるはずもなく、買いたいものも全て買ってしまい、ここに残る理由も無くなった。
最後に見える範囲をざっと見回してみても、知らない顔ばかり。何度目かのため息をついて、外に出ようとした時、視界に何かが入ってきた。
