ほしとたいようの診察室
第5章 プリンを作ろう
「のんちゃん、覚悟しなね。ここ頑張らないと、入院1ヶ月じゃ済まさないよ。一定の基準まで回復しなければ延ばすからね」
厳しい口調で吹田先生が続ける。
この言葉で、絶対につらい1ヶ月になることが確約されたようなものだった。
「……そんな……」
ぽろぽろと、大粒の涙が、知らないうちに目から溢れていた。
「泣かない泣かない。のんちゃん、泣いても変わらないよ」
言いつつ、大海先生はわたしの目からこぼれた涙をティッシュで拭う。
「早速だけど午後から診察するよ。ここで内診するから、下着外して待っててね」
口調は優しいのに、早くも容赦ない約束。
首を振ってみたけれど、
「返事は?」
大海先生が顔を覗き込む。その微笑みが超怖い。
「……はい」
拒否権など、自分には残っていないことを知る。