
ほしとたいようの診察室
第6章 回想、はじめまして
「のんちゃん、陽太先生が、のんちゃんの担当医になったよ」
なるべく、軽く言ったつもりだった。
「たんとういって?」
わからない言葉を、しっかりと聞き返すのんちゃん。
「うーんと……今度から、のんちゃんの病気を一緒に治すことになったんだ」
俺の言葉を咀嚼して飲み込むように、のんちゃんはじっくり考える。
「……ゆうせんせは?」
来ないはずない、この質問に。
慎重に言葉を口にした。
「優先生は……、少し忙しくて、しばらくのんちゃんのところへ来れなくなっちゃったんだ。ごめんねって言ってた。代わりに陽太先生と」
そう言っている途中から、のんちゃんの目が潤み、顔が歪む。
話を、理解したようだった。
