
ほしとたいようの診察室
第6章 回想、はじめまして
「のんちゃん、だっこする?」
そう声をかけると、のんちゃんは泣きながら、意外にも両手を差し出してきた。
わんわんと泣くのんちゃんを抱き上げてあやす。
こうして抱っこするとのんちゃんはやっぱり小さくて、胸にすっぽりと埋まる。
「よしよし」
立ち上がって、病室をうろうろしながら抱っこであやしていると、少しずつ落ち着いていった。
白衣にのんちゃんの涙の跡が丸くつくのを見て、少し笑ってしまった。
熱いくらいの体温を受け止めながら、涙が収まるのを待った。
