テキストサイズ

戦場のミハイル

第2章 市街戦での孤立、息をひそめて生還せよ!

アナスタシアはミハイルの胸に抱かれ体温が上昇していってる


ふと見上げるとミハイルの横顔が間近にある


〈あ、幼い顔立ちなのにヒゲがある……〉


ミハイルはモニターに注視しているのでアナスタシアの視線に気づかなかった


〈やっばりミーシャもオトコなんだなぁ……〉


アナスタシアは思春期の頃から身近に同年代の異性が居なかった


極端に男性が減少してしまった時代


長く続く戦争のせいなのか、染色体異常なのか、


軍隊に入隊してからも部隊は女性ばかり


鬼軍曹や、部隊長に男性は居たものの歳が離れすぎていた


だからこんなにも間近に男性の横顔を見る機会が無かった


と言っても幼い顔立ちのミハイルはまだまだ少年の面影が強く、男性らしさはあまり感じない


〈ミハイルはどんな女性に異性を感じるのだろう? やっぱり胸が大きくて美人に惹かれるんだろうなぁ……〉


小柄で筋肉質のアナスタシア


自分が興味を持っても、

自分に興味を持ってもらえないかもしれない

と思うと何故だか寂しい気持ちになる


希少な同年代の異性


だが自分には手の届かない存在


本隊に戻ればグルーピーの女性陣に囲まれるだろう

彼女たちは軍隊の中に居てもオンナを忘れていない

最低限の身だしなみの中にも女性らしさを醸し出しているのだ


それはちょっとした仕草や、ちらりと見えるうなじ、軽く触れる腕や肩など、異性を引き付ける高度なテクニックがある


同性のアナスタシアから見てもドキリとすることがある


〈わたしには惹きつけるものなんて…〉


裸で密着しているにも関わらず、アナスタシアはミハイルがとても遠く感じられるのだった


ストーリーメニュー

TOPTOPへ