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戦場のミハイル

第2章 市街戦での孤立、息をひそめて生還せよ!

それから一時間後


アナスタシアとミハイルは行動開始の準備に備えてようやく身体を離すことになった


「!……こっちを見ないでッッ!!」


「はいはい」


ふたりは肌着、防寒着をまといそれぞれの席についた


「電力を50%まで戻します」

「了解」

「振動センサーの範囲を拡大、ミーシャ万が一に備えて主砲の用意を!」

「了解」


戦闘車輌はゆっくり戦闘準備に戻り始めていく


まだ近くに敵機が潜んでいるため悟られないよう慎重に進めていく


「本隊に直行は出来ないので大きく迂回して行きます、ミーシャ質問は?」


「…無いよ、街を離れて川を越えていこう

 交戦しても川向こうだったら本隊を悟られない」


砲撃手ミハイル

機長アナスタシア


ふたりだけの小隊はようやく戦線復帰しようとしている


「大丈夫ナスチャ、ボクたちは本隊に戻れるよ」


「ええ、無事に戻りましょう! 本隊に戻ったらきっと実家から電子メールが来ているハズ
 その返事をするまで私は死ねないわ」


「メール?実家から?」


「そう、母さんや妹たちと月に一度やり取りしてるの、戦時中だから遅れがちだけどね」


「そうだね、傍受されやすいから検閲やらですぐには帰ってこないからね
 よし、じゃあお母さんたちに返事を書くために絶対戻るぞ!」


「ええ! それでは出発します!」


ふたりを乗せた戦闘車輌は崩れたガレキの下から飛び出した


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