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戦場のミハイル

第2章 市街戦での孤立、息をひそめて生還せよ!

共同のシャワールーム


アナスタシアはまわりの同僚たちから声をかけられた


「おかえりナスチャ!さぁさぁ白状しなさい!
 彼とはどこまで進展したの!」


アナスタシアは無視して髪を洗っていた


「みなが狙ってたミーシャをアンタがペアになるなんて、アンタもラッキーだよね~!」


「……」


「でも〈カミエーター〉なんだから彼を独り占めには出来ないわよ!なんてたって彼は〈みんなのもの〉なんだから!次は私にもチャンスがくるわ!」


「……」


アナスタシアはシャンプーを洗い流しながら考えていた


そうなのだ


彼と一晩作戦を共にしたからと言って…、


以前よりも心を開いたと言っても…、


彼を独占することなんて出来ないのだ


彼は皆の共有者〈カミエーター〉


アナスタシアは身体を拭きながら急激にテンションが下がってしまった


本隊に帰還したときはあんなに明るくなれたのに!


やっぱりこの〈グルーピー〉たちは嫌いだ!


私をイラつかせることばかりしてくる!



まとわりついていた同僚たちはアナスタシアが無視を決め込んでいたので離れてしまった



身体を拭き終わり、あらためて周囲の同僚たちの肢体をながめる


ああ、みんな女のコらしくていいなあ……



よりどりみどりの彼なら、私なんてすぐに飽きてしまうのだろうな……、と唇を噛む


軍からの配給品の下着を身に着け、アナスタシアは下着姿のままドレッサーコーナーへ向かう


髪の毛を乾かしながら、それでもミハイルに逢いたいなぁ、と分かれてから一時間と経っていないパートナーへ想いをはせるのだった…



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