
戦場のミハイル
第4章 遊撃部隊、北に進む
翌朝、「オービエン」は山に囲まれた湖近くに位置する辺境の村に辿り着いた
補給と補充を行い小隊は束の間の休息をとる
近隣には帝国軍の駐屯地もあることから燃料たけでなく武器弾薬の補給も容易だ
また辺境であるがゆえ都会の物品が珍しがられ、ミハイルのタブレット端末など個人の私物までもが高く取り引きされた
ちょっとした小金持ち気分を味わうクルーたち
「マーニャ、次は何を食べる?
あ、この生チョコサイコー!」
「エレーニャ、アンタ食べてばかりね〜
あら、このザッハトルテもイケるわよ」
「ミーシャは教会に行ったっきり帰ってこないし、隊長と副長は宿から出てこないし、ここの地場の美味しいものを満喫するしかないじゃない?」
「そういえばサーシャはどこ行ったのかしら」
「サーシャならアレよ、オトコよ
この村、駐屯地が近いじゃない?
男娼館があるのよ」
「サーシャはミーシャにも夢中だったしねぇ?
アレが好きなのね」
「あらわたしもけっこう好きよ、ミーシャもミーシャのアレも!!」
「ナマナマしいわねぇ~、……まぁ……たしかに良かったわね……」
「なんだ、マーニャもちゃっかり愉しんでるじゃない! ……て事はうちらの小隊みんな棒姉妹ってわけ? 笑っちゃう!」
「ええッッ? 隊長や副長もかな?
あの二人は違うんじゃない?」
「そうだね、あの二人はミーシャには興味なさそうだわ」
「ミーシャもタイヘンねぇ、ここに来てからも働きづくめじゃない? もう枯れてんじゃない?
私の分も体力残しといて欲しいわ
ここの村娘なんてヤマほど居そうじゃない?
エレーニャも神様の愛が欲しいでしょ」
「コックピットで愛してくれたときはドキドキしたなぁ〜! 私はゴーグルで索敵しながらさぁ〜! なんかSMチックだったな〜
不自由な状態でさッ!
マーニャは部屋で?」
「アンタ仕事中に何してんのよ!
でも確かにミーシャはいいわよね
無茶なことシテ来ない安心感があるわ
ハイスクールのときの彼氏なんて今を思えばゴリラみたいなもんだったわ」
「ミーシャは綺麗な顔立ちだし、扱いは優しいし、指も上手い! 過去イチだな」
「教会まで迎えにいこうか?」
「ダメよ、ジャマしたら、ミーシャにとっては呪われた儀式なんだから!」
