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戦場のミハイル

第6章 ニコライ議員の私邸


半年間の入院生活


次の半年間はリハビリ生活


皮膚に大きな火傷の跡が残るが、四肢は残っている


他の生存者は身体が欠落した者もおり、それに比べたらガリーナ・ウワロナの状態は重症ではあったものの、一年間で日常生活が送れるようにまで回復した


リハビリ病棟での生活が終わったあと、彼女は帝都の衛星都市〈エカテリンブルク〉の軍の施設に身を寄せていた


軍への復帰を目指していたガリーナだが、まだ医者からの許可はおりず、療養期間のようになってしまった


走ったり、跳んだりするまでは回復したものの、やはり背中から肩の痛みは残り、泳ぐこともかなわない


いま中途半端に部隊に復帰しても周りに迷惑をかけるだけなのかもしれない


彼女ははやる気持ちを抑えて、今の自分はとにかく身体の治療に専念すべきなのだと認識していた


それでも日常生活が送れる身体なのだから毎日寝て過ごすわけにもいかない


医師からのカリキュラムにはリハビリテーションや、電気治療の通院、皮膚の膏薬などが組み込まれてるため、あてがわれたアパートメントから毎日通う生活


軍の施設内に医療機関もあるものの、休職しているガリーナは民間の皮膚科に通っていた


いつものようにナースから膏薬を貼られ、肩の包帯を巻いてもらう


「リーニャ、だいぶ綺麗になってきたわね」


「そうね、でもこの醜い身体になってしまったらますます男は寄り付かないわね」


「軍と違って街には男はたくさん居てるわよ、遊びに出掛けたらいいわ、いい気分転換にもなるでしょう?」


「遊びに出掛けてるほどの余裕はないよ」


「もったいないわ、リーニャまだ若いんだから楽しまなくっちゃッ!なんならこの街は男娼館もたくさんあるのよ?いいトコ紹介しようか?」



「そ、そんなとこ私行かないわ!」


「そお?けっこうみんな行ってるわよ」


ここは新兵のガリーナには別世界のような大きな街だった


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