戦場のミハイル
第6章 ニコライ議員の私邸
「マイーニャ」
「リーニャ、ばあやは部屋に帰した、ここは私たちだけが警護したほうがいいだろ」
「ええ、その通りよ、執事にも伝えました
使用人は全員一階の大広間へ集めるよう指示をしてあります」
「電気のほうは?」
「誰かが工作していました、次の攻撃があるのかもしれない、総監部へも応援要請したよ」
「あれ、そうなの?私も連絡しちゃったわ、まぁいいでしょう!何か緊急事態が起こったと判断してくれるでしょう」
ほどなくして近衛兵の応援者が数名とニコライ議員、議員の補佐をしている従者など数台の車が派手に登場した
窓から外の車列を見てマイヤ・プリセツカヤはため息をつく
「まるで火事か、立てこもりの事件現場みたいね、大げさじゃない?」
「犯人が近くに居たらこの光景も見ているでしょうね、大きな騒ぎになるほど動きが制限されるはず
おそらく今夜はこれで動かないでしょうね」
バタン!
部屋に数名がなだれ込んできた
ニコライ議員とその従者だ
「マーニャ!イーナ!」
「コーリャ!」
「パパン!」
家族3人は抱き合った
従者がガリーナとマイヤに近づいてくる
「何事ですかッ!?」
「すぐに駆けつけてくれてありがとうございますヴァレット」
「見たところ被害は無さそうですが、緊急車両まで呼び込んで…」
「いえいえ、これで良かったですよ、これだけ物々しいと犯人も動けなくなったことでしょう」
「フン、駆けつけた我々をダシに使いましたね」
「御協力感謝します」
ガリーナはニッコリ笑った
従者ヴァレットは面白くない
彼は返事もせず議員のそばを離れた
おそらく執事バトラーと所へ向かっただろう
ガリーナは抱き合っている議員家族を見ながら安堵する
そして
議員の一人娘イリーナはニコライ議員に似て無い事に気が付いたのだった……