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戦場のミハイル

第6章 ニコライ議員の私邸


ガリーナは自室に戻ろうと席を立った


「そういえば中尉……、つかぬことをお聞き致しますが……
 2年ほど前にボルゴグラードの戦場へ赴かれた事はありますか?」


「ボルゴグラード? ずいぷん南の地方だね
 何度か出征した事はあったと思うけど…
 2年前だったかな?
 どうかした?」


「いえ……特には……
 ボルゴグラード戦線の自分の部隊は全滅してしまいました……、わたしはただ一人の生き残りです」


「そうか……とても残念で、つらい経験だったね、わかるよ
 僕もサンクトペテルブルクでは似たような経験をしてしまった
 もうあんな思いはたくさんだね
 後悔ばかり考えてしまう

 ガリーナさん、ゆっくり休みな
 あなたはまだ生きているし、
 あなたには明日を迎える権利がある」


「おやすみなさい、中尉」


ガリーナはミハイルを残して厨房を後にした…



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