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戦場のミハイル

第6章 ニコライ議員の私邸

ガリーナが部屋に戻ると同室のマイヤ・プリセツカヤだけでなく屋敷メイドのソーフィア・ウラノワの姿もあった



「あ、帰ってきた」

「遅かったね」


同年代の3人は仲が良かった


ガリーナは制服を脱ぎながら差し出されたお茶を手に取った


「ソーニャ、仕事は終わってたんだね」


「うん、あとは他の子に任せてきちゃった!
 それよりリーニャ!本当にミハイル様の所に行ったの?こんな遅い時間まで!」


「ソーニャ、野暮なこと聞くんじゃないよ!
 我が純潔の女史リーニャは今夜でオンナになったのさ!」


「本当に!?」


ふざけているマイヤとソーフィアに軽蔑の眼差しを向けるガリーナ


「そんなわけないだろう!」


「でも、ミハイル様と会っていたのはどうなのよ?」


「別に会いに行ったわけじゃない、向こうからやって来たんだ」


「本当に?? で、どうしたの! まさか求められたとか!!」


「なんでソッチの方向ばかりなんだよッッ!」


「だって、こんな遅い時間だよ……、こんな時間に会うなんて……することはひとつしかないじゃない?」


「恥ずかしがらないで言えよ」


ガリーナは寝間着に着替えるとドサッ!と自分のベッドに身を投げた


「本当にそんなんじゃない、腹が減ったから食堂に寄ったんだ、料理長も居て少し腹に入れてたんだ、そしたら彼がやって来たのさ」


「彼だって!」

「それで?」


「昔の……、戦場の話しを少ししただけだよ……、重い話しをね」


「うわつかない話題ね、やっぱりリーニャに恋の駆け引きはムリそうだわ
 もっと女子力アピールする話題とかにすれば良かったのに!」


「待て待て、我が姫リーニャにそんな駆け引きはそれこそヤボってもんだ」


「仕事の関係者だぞ?しかも怪しい相手じゃないか、警戒して当然だろ」


「ミハイル様は怪しくないってば!」


「家族ぐるみの付き合いなんだろ」


「そんな家族付き合い有るか?愛人の男娼を引き込んでるんだぞ」


「バカね、それで夫婦の愛を再確認することもあるのよ」


ガリーナには理解できない話しだ


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