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僕の彼女は塀の中の白い小悪魔

第5章 嘘

学校に戻ってから翌日、その日から毎朝僕は山崎の容態を見に行くことにした。
 そこの病棟に勤務しているまだ新米の看護師に、山崎のお見舞いに来る僕の姿を見て、「あなたの彼女なの?」と聞かれた。
 一瞬顔が赤くなりそうになったが、完全否定した。
 同じ学校の同じクラス、席は彼女が一番後ろ、僕は窓際の一番前だ。だから、話したこともほとんどないぐらいの間柄だった。
「いや、別になんか大変なことをしたので、出来る事ってこれぐらいしかないような…。それとも、もし僕ができるなら、失った両目を返したいと思って…」
 それが本音だ。でも、同じ学校、同じクラスってだけで、別にそれ以上なんでもない仲だったから…
「他のクラスメイトです。まだ話したこともないですよ。」
 とっさに嘘の言葉だけが先走ってしまった。気丈に振る舞っていたけど、わかるんですよね、なんだか間抜けな自分を弁護しているそんな不自然な自分の姿を、その看護師さんが時折笑顔で覗き込むように見ていた。

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