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僕の彼女は塀の中の白い小悪魔

第6章 焦り

 目の位置や、頭を変に動かしてみたりして、焦ってるな。そして、取り返しのつかない状態であるってことは現実なんだが。
 そういえば、とっても美人だなこの看護師さん。
 クスッと笑った。
「大丈夫よ、手術したから見えるようになるって先生も言ってたわ。」
「そうなんですか?」
 もう二度と見えないって、確か田川先生がそんな説明をしてたような、治療室の外から聞こえたように瞬間的に思ったのだが、ただの勘違いか?
 嘘だろって思ったが、本当なら少しはホッとするんだが…
「そんなに心配しないで、彼女もベッドで何もすることがないでしょ?イヤホンして音楽なんか聴いちゃって…」
 目には包帯をしてはいたが、意外と落ち込んでいる様子でもなかった。

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