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僕の彼女は塀の中の白い小悪魔

第7章 神への祈り

「あなたも来年受験でしょ?落ち込む時間があったら、その時間を勉強に使いなさい。」
 少し学校の先生みたいにどこか説教っぽく聞こえたが、それ以上にとても優しい看護師さんだった。
 だから聞いてみたかった。
「どうしてこの仕事にしようと思ったんですか?」
「難しい質問ね?」
 少し考えた仕草をして、「人間って元気な時は自分一人でなんでもできるって考えるでしょ?でも、風邪ひいて何もできなくなると、なんて自分ってちっちゃな存在なんだろうって…」
「ここではもっとね、非日常的な世界。塀に囲まれたちっぽけな空間で、神に祈ってお世話するの。」
「普通に生活していると、あなたの日常にはない場所だったから気づかなかったでしょ?」
そ、そうですね…
「どんなことをしてるかわかる?」
 機敏で優しい、それがとても輝いて見えて、なんかどう説明していいかわからなくて、でもその人の目をジッと見つめてしまい、なんかこう…、なんだろう、この全身がふわっとした感覚。
「どうした?」

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