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シャイニーストッキング

第2章 絡まるストッキング1

 113 大原浩一本部長 ①

 足裏マッサージ…

 そうか、こういうことか…
 だからさっきゆかりは、あんな意味あり気な目をしてきたのか。
 
 コレは正に脚フェチ、ストッキング脚フェチの天国の作業じゃないか…
 大好物の爪先、脚の裏、正々堂々と触り放題、たまらない。
 ノーマルの人には全く理解できない思いなのである。

 そしてこの足裏マッサージを、あの武石健太が蒼井美冴にしていた…
 という事は彼女は大丈夫なのか。

 蒼井美冴、彼女はかなりのストッキングラブな嗜好と思考の持ち主なのである。
 今、こうして私自身、フェチ的な意味で昂ぶりを感じながらやや興奮気味にマッサージをしていて、それを受けているこのゆかり自身も、やや昂ぶり、興奮気味な感じでマッサージを受けている位なのに、自律神経が今イチ安定していない、と、いう彼女、美冴は大丈夫なのであるのか。
 そうゆかりのマッサージをしながら思っていたのである。
 そして蒼井美冴の姿を探す。
 と、トイレから戻ってきたのだ。

 あっ…
 私はトイレから戻ってきた美冴の顔を見て、内心、少し慌ててしまった。
 
 目が濡れている、ヤバいのか…

 酒の酔いの目ではない、あの目は
 
 欲情の目だ…

 やはりこの足裏マッサージにより、フェチ的な興奮をしているようである。

『気持ちの昂ぶりが抑え切れなくなっちゃうの…』
 あの夜、涙を流しながら訴えてきた彼女の言葉が脳裏に浮かんできていた。

『疼きが治まらないの…』
 そしてそう言っていた時の、あの夜の濡れた欲情の目に近いのである。

 大丈夫なのか…
 私はそう心配の想いをしながら美冴を見る。
 するとチラっと美冴は私を見てきたのだ。

 私もそうなのだが、美冴もゆかりの存在を意識して、なるべくお互いに見ないようにはしていた。
 だが今、チラっと美冴は見てきたのである。

 大丈夫なのか…
 私は目でそう語り掛けるのだ。
 すると美冴も一瞬なのだが私を見つめ返してきた。

 なんとか…

 私にはそんな感じで受け取れたのだ。

 どうやら、今の内はギリギリ保てていられているようであった。
 だが、こうして今はゆかりがいる、ゆかりの存在がある限り、そんな内面的な会話はできないのだ。

 なぜなら、私と美冴は今朝始めて会話した事になっているからである…





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