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シャイニーストッキング

第11章 絡まるストッキング10     連休最後の2日間…

 2 武石健太(2)

「…でね、今回の京都観光コースはさぁ、モロ修学旅行バージョンにしたからさぁ…」
 本当に美和は楽しそうな笑顔を見せてきていた。

 その反面…
 俺は針のむしろに座っているみたいであった。

「ああ、楽しかったぁ…」
 午後6時過ぎに、ホテルにチェックインをした。

 初日の今日は…

 二条城から清水寺、そして銀閣寺からの東寺を巡り、京都駅近くの豪華なホテル…
 こんなルートであり、美和は朝から終始はしゃぎ、笑顔が堪えなかった。

「おい、ちょっとホテルが豪華過ぎじゃないのか?」
 京都の古き良き街並みの夜景が一望できる…
 その位豪華なホテルである。

「いいのよ、健ちゃんと一緒だから…」

「あ、う、うん、そうか…」

 実はこの京都旅行は美和からの提案でもあり、全ての予約、段取りも彼女に任せてあった…

『臨時ボーナスが入ったから、お金もいいからね…』
 と、全て甘えていたのだ。


 そして夜…

「ねぇ、健ちゃん…抱いて…」

「あぁ、うん…」

 今回で関係を清算するつもりの旅行であるのだが…

 元より、拒みきれない自分の甘さがあった…

 いや、そもそもが、美和を嫌っていた訳ではなく…

 突然、俺の前に蒼井美冴さんという、素晴らしい、そして美しい女性が現れてしまって…

 そして…

 俺の心はすっかり魅了されてしまい…

 最終選択としての…

 美和との別れの決断だったのだ。

 決して美和が嫌いになったのでは無い…

 蒼井美冴さんという女性の存在が…

 魅惑的過ぎたのである…

 そして…

 俺の…

 ズルさだ…


 丸く、平和に、静かに…

 巧く別れようという…

 ズルさ…
 
 そして調子の良さ…


『キレイに片付けしてね…』

 美冴さんのそんな言葉が脳裏に浮かんでくる…

 の、だが…

 俺の中のズルい…

 オスの本能が、美和を拒みきれない…

 あっという間に昂ぶってきてしまっていたのだ。



 今夜はいいや…

 明日の…

 2泊目の明日に…

 明日の夜でいいや…

 いいや…


 最低な俺はそう想い…

 美和を抱く…




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