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シャイニーストッキング

第11章 絡まるストッキング10     連休最後の2日間…

 3 武石健太(3)

 京都らしく湯葉や鮎を中心とした京懐石料理の夕食を食べ…

 露天風呂付きの大浴場で疲れを癒し…

 部屋に戻って美和と二人で1本のビールを分けて飲むと…

 酒の強くない美和が珍しく…

「ねぇ健ちゃん、抱いて…」

 ややアルコールで高揚気味の顔、そして濡れた目をして囁いてきたのだ…


「あ、あぁ、うん…」

 付き合い始めて約半年…

 今までは、本当に俺の都合と欲望でのみ、逢瀬を求める様な関係であったから…
 こうした美和自身から云われた事は初めてであった。

 そしてこの欲情に濡れた目…

 いくらこの、今回の旅行で関係を清算しようと考えていても…

 それに決して、美和の事が嫌いで別れ様と思っている訳ではないから…

 俺は、美和のその甘い誘いの言葉と、欲情に濡れた目を見て…

 瞬く間に欲望を自覚し、昂ぶりを疼かせてしまう。

「け、健ちゃん…」
 そして美和自ら、唇を寄せてきた。

「あ……み、美和…」
 俺は、躊躇なく彼女を抱き、抱き寄せる。

 俺の中のズルい…

 オスの本能が、美和を拒みきれない…

 あっという間に昂ぶってきてしまっていたのだ。

 そして脳裏に…

 今夜はいいや…

 明日の、2泊目の明日に…

 明日の夜でいいや…

 最低な俺は、オスの欲望に流されてそう想い浮かべて…

 美和を抱いていく…


「み、美和ぁ…」

「ぁぁ、け、けんちゃん…」

 実は…

 蒼井美冴さんと『新プロジェクト』関係で知り合ってから約10日…

 そして、長年の憧れだった佐々木ゆかり部長とやはり『新プロジェクト』関係で再会してから約2週間…

 それを遡る事…
 美和を最後に抱いたのが更に約2週間位前だから…
 美和を抱くのは約1ヵ月振りに近いのだ。


 週に2回は彼女から電話は入り、話しは、声は、会話は交わすのだが…
 とにかく美和は『待つタイプ』の女であった。

 だから付き合いを始めてから、彼女から積極的に誘ってきたという事は…
 ほぼ、皆無であったのだ。

 だが、逆に俺的にはそこが美和との付き合いの理由の一つでもあり…

 いや、そこが俺のお気に入りであり…

 いや違うか…

 ウラを返せば、本当に、俺的には都合の良い、面倒くさくない女であったのだ。


 だから…



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