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シャイニーストッキング

第11章 絡まるストッキング10     連休最後の2日間…

 8 武石健太(8)

 2日目は三十三間堂と金閣寺を巡り、京都市内をブラブラと歩いて過ごした…

「お土産は明日でもいいわよね」
 プラスの美和は本当に嬉しそうであり、一日中テンションも高めであった。

「あ、うん、そうだな」

 どっちみち、俺にとってはこの京都旅行はナイショの旅行であったから、もとよりお土産等は買うつもりもなかった…

 だが、本当にこんな明るい美和は…
 初めてであった。

『ようやくさぁ、離婚の傷が落ち着いたの…』

『気分転換のつもりで合コンに来たのよ…』

 約半年前…

 友達が設定した合コンで知り合い…

 なんとなく手頃でいいかな…
 と、そう思って軽い気持ちでデートに誘った。

『健ちゃんの明るさが、心のリハビリになるわぁ…』
 
 そんな美和の言葉に俺も気楽に、そして、彼女の一歩控えめな感じが気に入って、今日まで付き合ってきたのだが…
 
 約半年間…

 この半年間という時間が、美和の心の傷も癒え、そして、更なる段階に動いてきたのだ…
 と、俺は2日目の夜まで、そう完全に信じて、思っていた。

 そして…

 そんな美和を…

 そんな積極的に明るくなった美和を…

 フラなくてはならない心の痛さに…
 
 決して美和が嫌いになった訳ではない…

 蒼井美冴さんという魅力が勝ってしまったのだ…

 だけど…

 心が…

 負けそうになっていた…

 いや、この2日目の夜も完全に負けてしまっていた…

 そして…

 そんな情けない自分自身に…

 自虐してもいたのだ。

 
「ねぇ…
 今夜も抱いて…」

 美和は、そう…

 濡れた、淫靡で、魅惑的な目をして…

 囁いてきた。

 こんな淫靡で…

 魅惑的で…

 魅力的な美和を初めて見た…

 心の昂ぶりが…

 抑え切れない…






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