テキストサイズ

シャイニーストッキング

第11章 絡まるストッキング10     連休最後の2日間…

 14 8月14日…

 次の日、昼過ぎまでたっぷりと寝て、少しダラダラとベッド上で過ごし…
「よしっ」
 俺は美冴さんを誘う為の電話をする。


『留守番電話サービスに接続します…』
 だが電源が入っていなかった。


「えっ…」
 なんで?…
 あ、そうか、アレか、お盆だから何かと忙しくて…

 だけど…
 果たして電源まで切っちゃうか?…

「え…」

 まさか…
 拒否なのか?…
 急に心がザワザワと騒めき、波打ってくる。

 でも10日の別れ際には何も…

 にこやかに別れ…
『じゃぁ、14日にね…』
 と、云ってくれていた。

 だから、拒否はあり得ない…


「あっ…」
 いや、まさか…
 美和との京都旅行がバレてしまったのか?

 だが、それもあり得ない、誰とも会わなかったし…

「あっ、いや、アレだ…」
 そうだ、あの叔父さんの山崎専務の記者会見発表を一緒に見に行った帰りのタクシーの中で…
 佐々木ゆかり部長にだけ京都旅行の話しをしてしまっていた。

 まさかゆかり部長が云っちゃったのか?…
 その可能性はゼロではない。

 あ、でも…

『キレイに整理してよね…』
 美冴さんはそう云っていたし、なんとなくだが、この13日までの三日間に俺には何かある…

 みたいには思っていた様な…
 そんな気がしないでも無い様な…
 そんな疑惑は堂々巡りになってしまっていた。

 たがらって…

 電源を切るだろうか…

 そこまで拒否するだろうか?…
 心の騒めきは、ますます高まってしまっていた。


 美冴さんとは絶対に…
 絶対に離れ、いや、別れたくはない…
 騒めきは、絶望感へと変わりつつあった。

 


 ブ、ブ、ブ、ブ…

 その時、メールを受信する。


「あっ…」

 メールを開くと…

『急遽、お友達と今夜、明日と泊まりで出掛けるから、16日まで我慢してね♡』
 美冴さんからのメールだ。

 あ…

 そうか、そうだったんだ…

 俺はホッと胸を撫で下ろす。

 だが、一瞬でも疑惑心、猜疑心を持ってしまった心が、また、再び、ザワザワと騒ついてきてしまう…

 だからって電源を切るのか?…

 そんな急に泊まりでなんて…

 え、あ、まさか…

 男となのか?…

 まだまだ自分に自信のない俺は…

 どん底に陥ってしまう…




ストーリーメニュー

TOPTOPへ