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シャイニーストッキング

第11章 絡まるストッキング10     連休最後の2日間…

 16 武石健太(13)


 ヤバいなぁ…

 あぁ、美冴さんに逢いたいなぁ…

 いや、ヤリたいなぁ…

 そうだ、これでも大学生時代は、当時ナンバーワンといわれた有名大学のナンパサークルに所属をし、そこそこ遊んできていたんだ…

 そして憧れの佐々木ゆかり姫という存在を完全に喪失してからは…
 その心にぽっかりと空いた穴を埋めようと、ナンパをしながら遊んで来ていた、俺である。

 よしっ、遊びに出掛けよう…

 ナンパしに行こう…

 どうせ今夜も眠れそうにも無い…

 この心に空いてしまっている、美冴さんへの想いの穴を…
 今夜だけ、こっそりと埋めよう。

 じゃないと…

 多分、眠れそうにも無いや…


 今夜だけのワンナイトだ…

 大丈夫、バレやしない…

 だって、俺は、元々は軽い、ナンパ男なんだから…

 そして俺は、夜の街へ繰り出す事にする。

 
 どこに行こうか?…

 世間では、まだまだお盆休みという大型連休の中日である。

 そうだ、恵比寿に行こう…

 佐々木ゆかり姫と再会した夜に行った、知人のやっている恵比寿の駅前再開発で最近出来た商業施設内にあるビストロに行ってみるか…
 ウチにいて、一人で悶々としてるよりはマシであろう。

 そして俺は恵比寿に向かう…


 だが…


 だが…

 やはりビストロでは、バーとは違い、女性一人客はそうそう居らず、ナンパどころではなく、一人食事を済ませ、軽くオーナーシェフに挨拶をして帰る事にしたのだ。

 そして、帰途中にどこかのバーにでも寄ろうか…
 とも、考えたのだか、なぜか、急に、バカ馬鹿しくなってしまい、コンビニで缶ビールを買い、帰宅してしまったのだ。

 これは…

 この16日の夜までのお預け状態はきっと…

 美和と旅行に行った…

 美和にあんな寂しい想いをさせてしまった…

 天罰なんだ…

 バチが当たったんだ。

 きっと三日間、大人しく反省していなさいと…
 何かの神様からの指令なんだ。

 俺は急にそう想い、そして明後日の16日の夜まで大人しくウチにいる事にした…


 そう大人しく…

 静かに…

 美冴さんを待つんだ…

 美冴さんを待つ事にした…


 そして缶ビールを飲み…

 今夜も一人で慰めたのだ…

 いや、慰めずにはいられなかった…




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