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シャイニーストッキング

第11章 絡まるストッキング10     連休最後の2日間…

 18 8月15日午後3時…美冴


「お墓参りを行くのに、美冴の帰りを待ってんだけど…」

 わたしとゆかりさんは『夢の国』の次の日に、隣の『葛西臨海公園』の水族館に行き、そして水上バスに乗って東京湾を周遊していたら…
 
 ブー、ブー、ブー、ブー…

 母親から着信が入った。

 そしてそれは…
 姉が旦那様の方に顔を出すから来ないから、お墓参りに行くのに、わたしを待っている…
 と、いう電話であった。

「アンタ、15日には帰ってくるって言ってたわよね?」

 わたしは確かに言った…

 そして今日は15日の午後1時…

 大至急帰れば3時前には戻れる。

 これがお盆のリアルな現実であり…

 一昨夜、いや、12日の夜から続いていたわたしとゆかりさんの友情を超えたまるで『魔法』といえる三日間の夢の様な日々が…
 終わったのだ。

 そしてわたし達は18日からの仕事再開での再会を約束し…
 別れ、リアルな現実に戻っていく。


 そして午後3時少し前に自宅に帰り、母親と亡き父親の墓参りを済ませた…

「ふう、とりあえずお盆は終わりね…」
 母親はそう言ってくる。

「あ、うん、そうだね」

「でも、まさか、美冴とまたこうしてお墓参りが出来るなんてね…
 お父さんも喜んだんじゃないかしら」
 そうポツリと言ってきた。

「え…、あ、うん、ごめんなさい…」

 そう、わたしはこの約2年半という月日の間…
 最愛の男『ゆうじ』の突然の死により、いや、その死を受け入れられずに、絶望し、引き込もり、そして姉と母親に散々心配と迷惑を掛けてきたのだ。

「でもさぁ、なんにしてもまたこうして、美冴が元気に戻ったから…」
 そんな母親の言葉には…
 返す言葉が無かった。

「うん…ごめんね…」

「さぁ、もういいよ、解放してあげるからさぁ」

「え?…」

「ほら、どうせまた出掛けるんでしょう?」
 そう母親が言ってきた。

「あ…う、うん…」

 その瞬間…

 わたしの心には…

『健太』
 そう、彼、武石健太のあのにこやかな笑顔が浮かび上がってきたのである。

 ああ、そうだ…

 健太…

 健太に逢いたい…

 そしてわたしは彼に電話を掛ける…




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