テキストサイズ

シャイニーストッキング

第11章 絡まるストッキング10     連休最後の2日間…

 21 美冴と健太(3)

 ピンポーン…

 あの電話から1時間後、待ちに待った美冴さんが来た。

 ガチャ…

「み、美冴さぁぁん」
 
「あ、あんっ、も、もおっ」
 俺はドアを開けるなり、美冴さんに抱き付く。

 その瞬間、鼻腔には、美冴さんの象徴的な香りであるムスクの甘い香りが広がり…
 一緒にして、俺の脳裏を、いや、思考を支配してきた。

「あっ、ん、ぁ、け、けん……」
 そしてその美しい唇を貪る。

「あ、ん…む…んん…」
 俺は玄関で美冴さんに抱き付き、キスをしながら壁に押し付けてしまう。

 嬉しくて…

 そして興奮してしまい…

 自分の衝動を押さえることが、コントロールすることが、できないでいた。

「は、ぁ、み、みさえ…さぁん…」

「ぁ、は、ふ、け、けん…」
 そして美冴さんは力が抜けたかのように、壁に寄り掛かり、いや、俺に押さえ付けられながらしゃがみ込んでしまう。

 だが、俺は、そのまま離さずに、唇を、舌を貪る様なキスをしていく…
 いや、キスを、唇を離せないでいたのだ。

 それは、まるで…

 美冴さんという実態を認識するかのような…

 本当に、この腕の中に存在してるのかという…

 認識、いや、確認の為でもあった。

 ピチャ、ピチャ、ピチャ…

 唇を貪り、舌を絡め、甘い唾液を吸い合う…
 いやらしく、湿った音が響いてくる。

「あ、ん、け、けん…ちゃ…ん…ね、ねぇ、けんちゃん…」

 すると…

 美冴さんが無理矢理唇を離し、そして、そう言ってきた。

「ね、ねぇ…ちょっ…ちょっと待って」

「え…あ…」

 だが、まだ、俺の興奮の衝動の昂ぶりは、治まらない…
 すかさず美冴さんの肩を抱き寄せていく。

「あ、んんっ、ね、ねぇ、けんちゃんてばぁ…」

「え、あ、は、はい…」
 だが、それはから返事であり、再び美冴さんの唇を求めてく。


「あんっ、ね、ねぇ、分かってるからぁ…」

 そして美冴さんはそう呟き、俺を両手で制し…

 そして…

「ねぇ、ここ、ここじゃ…」

 ここ、ここじゃ嫌…

 そう囁いてきたのだ。

「あっ…」

 その言葉で…

 ようやく落ち着きを取り戻す。

「大丈夫だから…
 わたしは逃げないからぁ…」

 美冴さんはにこやかに囁いてくる…





ストーリーメニュー

TOPTOPへ