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シャイニーストッキング

第11章 絡まるストッキング10     連休最後の2日間…

 31 美冴と健太(13)

 やはり、なんとなく美冴さんが違うのだ…

 いや、マイナス的なよそよそしさとか、疎外感とかではなく、逆に、プラス的といえる親密感や親近感を感じられているから、良いのではあるが…

 そしてこの予想外の昂ぶりの激しさ…

 やっぱりこの連休中に、美冴さんにも何かがあったのか?…

 起きたのだろうか?…

「は、ん、け、けんちゃん…」
 唇を離すと潤んだ目で見つめてきて、そう囁いてくる。

 堪らない…筈なんだが…

 ザワザワと心が騒めいてしまう。

 はっ…

『ちゃんと綺麗にしてね…』
 その時、あの夜の、美冴さんの言葉が蘇ってきた。

 綺麗にしてね…
 それは、俺の今までの女関係をすっきりと清算してこいという意味であり。

 綺麗にとは…
 スッキリ、後腐れなく、という意味であろう。

 そして13日から二泊三日の美和との京都旅行で…
 結局は俺が一方的にフラれたのだが、カタチ上はキレイに清算してきた。

 だから問題はなく…

「あっ…」
 思わず声を漏らしてしまう。

「え?」
 まったりと俺の腕の中で余韻に浸っている美冴さんが反応する。

「あ、いや、なんでもないっす」

「うん…」
 誤魔化したが、ザワザワが急激に騒めいてきたのだ。

 それは…

 もしかして…
 美冴さんも、過去の男と清算的なナニかが、この連休中にあった?
 いや、してきたのか?

 そんな想い…
 疑問が、浮かんできたのである。
 

 ま、まさか…

 ついこの前までは…

 つまりは俺と付き合う事になる前…

 つまりは、その約一週間くらい前までは…

 美冴さんは『黒い女』と呼ばれていたくらいに…

 本人曰く…

 無気力、無欲、生きる屍として…

 ただ、惰性で生きていた…と、云っていたから、そんな男関係なんてあり得ない訳で…
 しかも、その『黒い女』になったきっかけが、その昔の最愛な元彼の突然の死だったわけだから、清算なんて言葉さえある筈がないんだ。

 だとしたら…




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