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シャイニーストッキング

第11章 絡まるストッキング10     連休最後の2日間…

 42 ゆかりと大原本部長(4)

「あ、運転手さん、そこの右のマンション前ね…」

 午後6時15分過ぎ…
 私は帰宅した。
 そして自宅マンションのエントランスに入っていく。

「あ…」

 すると…

「え…」

 エントランスに…
 ゆかりが立っていたのである。

「あ…」

「あ…」

 そしてお互いに驚きの声を漏らした。

「あ、あれ、ゆかり?…明日じゃ…」

 私は驚き、思わずそう呟き、そして…

 その目の前に立っている久しぶりに見たゆかりの美しい姿に、心を昂ぶらせ、震えてしまう。
 
 エントランスホールの脇に立っていたそのゆかりの姿…

 深い翠色のサマーニットのワンピースを着て、片手にバッグを、そして片手にはスーパーのビニール袋を持つその姿に…

「あぁ…」
 と、思わず感嘆の声が漏れてしまうほどに…

 新鮮で…

 美しくて…

 そして私には輝いて見えていた。


「う、うん、は、はい…実は…」

 お友達に急用が出来ちゃって、早くお別れしたの…

「そ、そうしたら、そうしたら…
 浩一さんに早く…
 逢いたくなっちゃって…」

 来ちゃったの…

 ゆかりはそう言って、私に寄り添ってきたのだ。

「あ、う、ん…」
 そしてそのゆかりを抱き寄せた。

『来ちゃったの…』

 そのゆかりの言葉がかわいくて…
 
 いや、今まで感じた事の無い、魅力的に感じてしまい…

 一気に心が昂ぶってきてしまっていた。

「あ、うん、うれしいなぁ」
 思わずそう言ったのだが、本音である。

「え、ホント?」

「当たり前だよ、ホントだよ」

 久しぶりのせいなのか?…

 それともこの約二週間以上抱いてなかったせいなのか?…

 なんとなくだが…

 ゆかりの雰囲気が変わった?

 いや、そんな風に思えるほどに艶っぽく感じていた。

 そしてエントランスホールにも関わらず…
 無意識に、強く抱き締めてしまう。

「あ、ら?…」

 すると突然、ゆかりが顔を上げて…

「なんか…シャネルの香りが…」

 えっ…
 
 そう呟いてきた…




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