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シャイニーストッキング

第11章 絡まるストッキング10     連休最後の2日間…

 45 ゆかりと大原本部長(7)

 あぁぁ…

 久しぶりの、約2週間以上振りのこの熱いキスに…
 心が震え蕩けてしまい、腰が抜けそうに力が抜けてきていた。

 というよりは、腰砕けにならないように浩一さんに必死にしがみついていた…
 それくらいに男とのキスは、美冴さんとの昨日までの溶けて、融けて、蕩けてしまうようなキスとは根本的に違うのだ、いや、違う。

 唇の感触、固さ、舌先の感触が…

 そして唇を吸ってくる力強さが…

 美冴さんとは根本的に違っていた。

 美冴さんとのキスは…
 穏やかで優しく、心がゆっくりと蕩けていく様な感覚。

 だが…

 この浩一さんとのキスは…
 唇が固く力強く、心が震え上がる様に高揚してくる様な感覚であった。

 こんなにも違うものなのか?…
 心を蕩かせながらそう実感する。

「…ぁ…ふ…ん…こ…こう…ぃ…」

「ゆ…ゆかり…」

 あぁ、ヤバいかも…

 キスだけで…

 い、イキそう…だわ…

 完全に全身の力が抜けそうになり…

 ボトン…、カシャン…

 手に持っていたバッグとスーパーのビニール袋を落としてしまう。

 だが、その音で、二人の昂ぶりに張り詰めていた気持ちが、フッと緩んだ。

「あ…ふぅぅ…」

「ふぅぅ…」

 お互いに自然に唇を離し、見つめ合い…

「あ、奥へ行くか…」
 浩一さんがそう呟く。

 そうなのだ、ここは玄関であり、まだお互いに靴さえも脱いではいなかったのだ…

「あ、うん、そ、そうね…」
 わたしはあまりにも自分が昂ぶり、興奮してしまっていたので、なんとなく恥ずかしくなってしまう。

「とりあえずリビングに行こう」

 浩一さんはそう言いながら、床に落としてしまったわたしのバッグとスーパーのビニール袋を拾い上げ…

「ん、これは?」

「あ、うん、そう、お、お素麺でも食べようかなって…」
 なんとなく恥ずかしい。

「おお、素麺かぁ、いいなぁ、腹減ってたんだよ」
 笑みを浮かべ、そう言ってくる。

「う、うん」

「いやぁ、びっくりしたよぉ…
 タクシー降りたらさぁ、居るんだもん…」

「あ…ごめん…
 急に予定変わったから、我慢出来なくなっちゃって…
 来ちゃったの…」

 そう言うと…

「いや、嬉しかった、あ…」

 嬉しいよ…

 そう笑みを浮かべながら言ってくれた。



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