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シャイニーストッキング

第18章 ほつれるストッキング2          蒼井美冴と松下律子

 47 蒼井美冴(24)

 松下さんをおぶってくれているヒロくんの先を歩きながらわたしには、ふと、ホテルbが目に入り…
 一気に昨夜の、彼、大原浩一との逢瀬の想い、昂ぶり、快感の余韻が脳裏に蘇り、浮かんでしまい、いや、心いっぱいになってしまったのである。

「……」
 そして、ふと、一瞬振り返り、ヒロくんにおぶさって意識を失くしている松下さんの脱力した姿を見て…
 更に脳裏に、二人で共有していたかのような認知の存在である、彼のあの破顔といえるにくめない笑顔、甘い特有の体臭、意外に高い声音、そして………
『なんとかしてあげるわ…』
 と、わたしに云わしめさせた、ゆかりさんもこの松下さんをも大切にしたいという、矛盾した彼の独占欲へのわたし自身の歪んだ理解。

 そんな想いが一瞬にして、浮かび、心を占めてきたのであるーー

 そして、そんな矛盾で歪んだ想いに伴い…
 松下さんに対するひがみ?
 嫉妬心?
 それとも、好奇心、好意という、また矛盾的な不思議な感情が心を揺らがせてきたのだ。

 あ、そういえば、松下さんがどこに住んでいるのか知らないわ…
 こんな泥酔みたいな状況は、間違いなく乗車拒否されてしまうに違いない…
 今、この深夜零時過ぎに、おそらくゆかりさんと過ごしているだろう彼に、訊く訳もいかないし…

 いや、それより、わたしはーー
 この松下さんという存在に、まるで惚れ、興味を持ってしまった…
 いや違う、この松下さんの美しく、魅惑的なストッキングに魅かれてしまった…
 そして願わくば、この松下さんを、松下さんと……

 そんな妖しく、邪な衝動が…
 この『ホテルb』の看板の灯りにより思い浮かんでしまったみたいーー

『ホテルb』
 それは愛している彼との逢瀬のホテル…
 そして今、その彼の大切な存在である松下さんを…

 先のお盆休みに、ゆかりさんと関係をし、覚えてしまった、オンナ同士の禁断の快感、愛情…
 
 この松下さんを、彼、大原浩一から、奪いたいーー

「チェックインできたわ、ごめんヒロくん、部屋までお願いね…」
 もう、この衝動が、抑え切れなくなってしまっていたのだ。

 ヒロくんは、ゆっくりと松下さんをベッドに下ろし、部屋を出た。

「…………」
 
 そしてわたしは一人、酔い潰れ、ベッドに寝ている松下さんを、ジッと見つめるーー

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