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シャイニーストッキング

第18章 ほつれるストッキング2          蒼井美冴と松下律子

 50 融ける夜(3)

 実はわたしも、さっきからずうっと鼓動が、ドキドキと、早鳴っていたーー

 それはもちろん、お酒の酔いのせいでもある…
 また、先のお盆休みに体験したゆかりさんとの蕩け、融けてしまう様な快感と想いをもたらせ、わたし自身の心の奥深くに植え付けられてしまった、邪で、禁断で、禁忌な、オンナ同士という、ビアンの昂ぶりのせいでもあった。

 そして…
 この魅惑的なストッキングという性癖の存在感のせい、いや、おそらくは、その想いの昂ぶりが、ほぼ全てといえるのかもしれない。

「う、うぅぅん…」
 松下さんの脚が、少し動いた。

「…………」
 ドキドキ…
 心が揺れる。

 そして、さっきーー

『ヒロくん、そのベッドに彼女を寝かせて…』

『は、はい、うんしょ』

『ヒロくん、ありがとう』

『いや、大丈夫っすよ』

『ううん、無理いってごめんなさいね、後でお礼するからさぁ…』
 こんな会話をし…

『あ、いやぁ、お礼なんていいっすよぉ』

『ううん、そんなこと…お礼させてよね』

『………』
 するとヒロくんは、ほんの一瞬わたしを見つめ…

『じゃぁ、ホッペにチューしてくださいっす』

『えっ?』

『ホッペにチューっすよ』
 なんと、そんな事を言ってきたのだ。

『え?』

『いや、美冴さんの事、昔から憧れていたんす、だから、せめて、ホッペに…』

『え…』
 だけど、そう言うヒロくんには、重さはなく、サーファー特有のノリの軽さすか感じられない。

『ホッペにチューっすよぉ』
 その笑顔は、屈託のない、軽い笑み。

『も、もぉ…』
 それは、ゆうじから慣れ親しんだサーファー特有の軽いノリであり…
 逆に、断った方が変な空気になりかねない空気感といえた。

『もぉ、ホントにぃ…』
 と、わたしはそう呟き、ヒロくんの頬に軽く唇を這わす。

『うわぁ、やったぁ、ありがとうっす、じゃ、またっすぅ』
 ヒロくんは満面の笑みを浮かべ、慌ただく部屋を出て行った…
 実は彼が部屋を出て行く際に、そんな流れがあったのだ。

 それはなんてことの無い、サーファー特有の軽いノリ…
 でもわたしにはそこまでの軽さはない、いや、むしろ、そんな屈託の無い軽さが、松下さんを目の前にしたわたしの心を更に刺激したともいえる。

 そう、全ては、酔いのせいーー

 

 

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