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シャイニーストッキング

第18章 ほつれるストッキング2          蒼井美冴と松下律子

 51 融ける夜(4)

 そう、全ては、お酒の酔いのせいーー

 昔から、お酒が弱いくせに飲み、その酔いに流されてきた様な経験が少なくはない。

 例えば、最初のオトコとの経験…
 それは大学三年の時。

 21歳にもなって未経験という事実に内心焦り、バイト先の店長に飲みに誘われ、その酔いの流れに任せて初体験を済ませた…

 結婚もそうだったーー

 元夫との出会いは合コンの酒席…
 口説かれた夜は、居酒屋…
 プロポーズも、ホテルのバーのカウンター。

 和哉とは…
 和哉だけが違っていた、でも、その初めての時は、彼は高校二年生の17歳だったから。

 でも、ゆうじとは『波道』でお酒を飲み、その夜に口説かれたーー

 お酒の酔いの流れは…
 皆もそうであろうが、心を大胆に、緩めてくれるのだ。

 そして今夜、ヒロくんのサーファー特有の軽いノリといえる流れではあったのだが…
 実は、少し前からヒロくんのわたしを見る目には意識をしてはいたのであった。
 自意識過剰なのかな?と、思ってはいたのだが、チラと見てくる彼の目からは、オスの、オトコのギラつきを垣間見た思いをしてはいた。

 だから…
『ホッペにチューっすよぉ』
 と、軽いノリとはいえ、実はわたしは、内心ドキドキとした微かな昂ぶりを感じてはいたのであった。
 そして、軽く触れた頬への唇の寄せに過ぎない所作の際の、彼からの一瞬触れてきた肩への手の感触に、内心、ドキっと揺れてしまったのであった。

 ただ…
 この部屋に松下さんが酔い潰れているとはいえ、ベッドの上で寝ているおかげで、多分、口説かれはしなかったのだろうし、わたしも揺らがなかった筈だとは思うのだが…
 万が一、本気でヒロくんに口説かれたならば、果たしてわたしはどうなっていたのか?

 そのくらいに、わたしは、いや、わたしもお酒に酔っているのであるーー

「ふぅぅ…」
 わたしは、ベッドにすっかり酔い潰れ、油断しきって寝落ちしている松下さんの…

「ふぅ、ふぅ、ふぅ…」
 酔いに呼吸を荒げ、スカートから延びたこの魅惑的なストッキング脚を眺めながら…
 そんな、さっきの心の昂ぶりの揺らぎを思い返してしまっていた。

「あ、う、うぅぅん…」

「……っ」
 そして、そんな吐息を漏らし、軽い寝返りを打つ松下さんを見つめ…
 奥の疼きを自覚していたーー


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