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シャイニーストッキング

第18章 ほつれるストッキング2          蒼井美冴と松下律子

 56 融ける夜(9)

「………」
 今、わたしは、こうして見つめ、昂ぶり、松下さんの足首に、手を伸ばしていく。

 なんてキレイなラインなの…
 キュッと締まった足首に、わたしは思わず見惚れてしまう。

 そして仄かに漂う、シャネルの甘い芳香に、心が揺らいでいた…
 ゆかりさんには、狂おしい香りだったかもしれないが、今のわたしには、昂ぶりを誘う媚薬の芳香でしか感じられない。

「………」
 そして思わずジッと見つめてしまう、足首のストッキングの艶やかな光沢と、その限りなく薄く、より透明で、細く、きめの細かいナイロン繊維…
 目が逸らせないでいた。

「………」
 人差し指の指先を伸ばし、爪先でスッと触れていく。

「……っ」
 その肌触りに、やはり、わたしと同じ、外国製高級ブランドのストッキングだと、再認識をし、思わず、息を飲み込んでしまう。

 やっばり松下さんは、わたしと同じーー

 心が昂ぶり、オンナの奥が微かに疼いてきた…
 そしてわたしは無意識に、顔を寄せ、目を凝らし見つめ、鼻先を近付けていく。

「ん、んんん……」
 そんなわたしの気配を感じたのだろうか、足首が、ピクンと動いた。

「………」
 だけどわたしは、指先を軽く触れ、顔を寄せ、鼻先を近付けて、微かな芳香に酔い痴れていく。

 うわぁ、甘く、堪らない香りがする…
 そして目を、爪先のペティキュアに動かし、見つめ、鼻先を無意識に寄せてしまう。

 うん、やっぱり、臭くなんかない、きっとわたしと同じだわ…

 そう、わたしと同じーー
 それは、一日に何度か、ストッキングを穿き代えている、という事。

 それは、秘書だから、いつも彼、大原浩一常務と共に仕事をし、過ごしているから…
 そして彼が、紛れもないストッキングフェチだから…
 常に一緒に身近にいるから、いつ、何時、彼がどう求めてくるのか、わからないから。

 その考え、わたしの想像は、世間一般的な上司と秘書との下衆的な関係という見方であるとは思うのだけれども…
 もしも、わたしが、彼、大原浩一であったならば、間違いなく、すぐ傍らに松下さんという美しく、魅惑的な女性が、ストッキングが存在していたならば…
 ふとした衝動がきっかけで、ガマンなんてできないであろうからーー


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