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シャイニーストッキング

第18章 ほつれるストッキング2          蒼井美冴と松下律子

 59 融ける夜(12)

『本当は美冴を一番愛してるんだ』
 すると突然、昨夜の彼の慟哭の声が浮かんできたーー

「ふ……」
 本当にヤツは、彼は調子の良い、ううん、ズルいオトコ。

 あんなに凛として、仕事の出来る、美しいゆかりさんがいるのに…
 そして、こんな魅惑的なお姫さままで手に入れ、愛されているのに…

『本当は、キミ、美冴が……』
 まだ、このわたしまでをも欲しがり、手離さないようにしてくる。

 本当にズルいオトコーー

 わたしはそう、想いを巡らせながら、松下さんを見つめ、ふくらはぎに触れていると…
「ん…ん、んん……ふぅぅ………」
 松下さんはまた寝返りを打ち、横向きの『くの字』から仰向けに動いてきたのだ。

「……っ」
 それは、わたしに対して無造作に、カラダを晒す状態といえ…

「ふぅ、ふぅ、ふぅぅ……」
 酔いの吐息に上下する、はだけたブラウスの胸元…
 モデル並みのウエストの細さの美しさ…
 長く伸びた、膝下の長い、美しい脚…
 オンナとしての完璧な魅力の体型。

「……」
 わたしは見惚れてしまいーー

「……っ」
 その美しく、柔らかで、艶やかに濡れた唇に、引き寄せられてしまう。

 そして心に浮かぶ、ある衝動ーー
 それは、松下さんを、ヤツ、彼、大原浩一から…
 奪い取りたい。

 松下さんを手に入れたい…
 いや、このストッキング脚を愛し、愛でたい。

「………」
 その衝動の昂ぶりと共に、強く、オンナが疼き、泣き出してきた。

 そしてーー
 ゆかりさんの時の様に、松下さんを愛したい…
 ヤツの大切な存在を、奪いたい。

「………」
 もう、心の抑えが効かなくなっていた…
 ううん、この衝動、想いは止められない。

 奪うーー

 わたしは、仰向けの松下さんの顔に、自らを寄せていき…
 艶やかな唇から、目が離せない。

「ん、んん、ふぅぅ…」

「……っ」

「……え、あ…」

 顔を近付け、唇に触れる瞬間だった…

「え…み、美冴さん?」
 松下さんが目を開き、そう呟いてきたのだ。

「………っ」

 松下さんは目を覚まし…

 濡れた瞳をわたしに向け、見つめてきたーー



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