でも、猫系彼氏に振り回されたい
第2章 写真には残さない
ダラダラと2人で準備をする。
湊は1人で靴下の色を10分くらい選んでるし、俺は髪の毛を長々と整えてる。
「ねえ、気付いてた?俺たち、駅前のアイス食べるだけだよね」
「なんで2人してこんなにオシャレしてるのかってこと?」
「うん」
「ちょっと久しぶりだからさ、気合いはいっちゃうよね。駅前でもさ」
「うん。靴下の色、大事」
噛み合ってるのか噛み合っていないのかよくわからない会話をして、やっと家を出る。
家を出たら少し距離を取って歩く。切ないような、甘酸っぱくて嬉しいような。
「なに食べようかな〜。やっぱり最初はイチゴかチョコだよね〜」
心なしかいつもより湊の歩調が早くて、ウキウキしているのが伝わってくる。