『でも、猫系彼氏に振り回されたい』第2章「写真には残さない」　27ページ

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でも、猫系彼氏に振り回されたい

第2章写真には残さない

「全部知ってるって言いたいところなんだけど、まだ知らないのかもって、俺だって落ち込むことあるんだよ」

茶化すように言ってみたものの、本当にそうだ。
湊のことを全部知りたくても、わかりたくても、なにもわからない。今まで何を見てきて、今、何を見て何を考えているのか。

「うん。俺もわからない。けどさあ、俺もりょーのことわかんないけど、俺は、俺のこともわかってないよ。俺がわかるのは、俺が感じたことだけだね。そんなこと、誰かが言ってた気がするし」

「つまり、どういうこと」

「りょーちゃんのこと、好きだなってこと。その気持ちだけは、絶対に正しいって分かってるってこと。考えるな、感じろ的な？」

イタズラっぽく笑う湊に、またはぐらかされたような、元気をもらったような、不思議な気持ちになる。