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でも、猫系彼氏に振り回されたい

第3章 かわいい子には旅をさせろ


確かに、実家が太い湊は、道楽で芸術家をしている。

写真を撮ったり、詩を書いたりして、楽しく暮らしている姿は、まるで自由気ままな猫みたいで、俺がご飯をあげないと!という高尚な気分にさせてくれる。

まあ、俺がいなくても、美味しい料理をつくるお手伝いさんとか雇えるんでしょ、と思って不貞腐れてしまう日だってあるけど。

「湊がいないと寂しいけど、楽しんできてね」

「へへ、ありがと。俺が無事に帰ってきても泣かないでよ?」

「泣かないよ、子供じゃないんだから」

「ツンデレなりょーちゃんもかわいいよ。はい、洗い物おわり」

そっかー、また湊がこの家からいなくなって、俺は1人で過ごさないといけないのか。

湊がどこで、どんなことをしてるのか、聞けば教えてくれるんだろうけど、なぜか聞けない。

俺も仕事休むから行っていい?なんて言えば、困らせることになるだろうし、仕事のこと、芸術のことは何もわからない。

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