でも、猫系彼氏に振り回されたい
第3章 かわいい子には旅をさせろ
「え、ミキさん、なんで、え、彼氏!?」
「あー、もしかして隠してた感じ?」
ニヤニヤしながら、口に手を当ててクククと笑ってるけど、俺は全く理解が追いつかず、パニックになっている。
走馬灯のように、今までのことを思い出してみても、どこで気付かれたのか全くわからない。
「いや、隠してたわけじゃないですけど、いやいや、ていうか、なんで知ってるんですか!?」
「え〜なんでだろ〜?」
ニヤニヤしながら惚けて見せる。
「はぐらかさないで!教えてくださいよー!マジで!」
「アイス」
「アイス?」
湊…アイス…ミキさん…
だめだ、全然わからない。
「駅前にできたアイス屋さん、ほんの数日前、いちゃついてたでしょ」
あの日か…!と思い出しても、なぜミキさんが知っているのかはわからない。どういうことなんだ…。
「えっと、私、あそこにいたんだけど。かわいい彼氏に夢中で気付かなかった?」