
でも、猫系彼氏に振り回されたい
第4章 天使と猫のハーフ
紹介された女性は、綺麗な黒髪に、大きな目をしていて、ただならぬオーラを放っていた。
綺麗な人だな〜と思いながら、向かいに座っている人を見て、息を呑んだ。
本当に、天使がいた。
居酒屋にいてはいけない、間違えて来たんだよね?と助け出したくなるほど、美しい男性がいた。
白く透き通った肌に、クリクリでかわいい、真っ黒な髪の毛。
退屈そうにこの場の盛り上がりを眺める目は、ひとつの曇りも、キズもないガラス玉みたいに輝いている。
幸い、女性陣は盛り上がっている。
震えそうな声をなんとか絞り出して
「よかったら、合流とかします?せっかくの再会なら、ねえ」
と平静を装って、相席を試みる。
「僕たちも、話すこと話したし、しゃべりなよ」
ああ、声も綺麗…ため息が出そう…。
こうして綺麗な女の人と、綺麗な男の人がお付き合いする世の中なんだな。
ひねくれた気持ちで、輝かしい4人を、俺はただ眺めるだけ。素晴らしき世界、ありがとう、さようなら。ふん。
この興奮を悟られないように、天使を見ると、目が合ってしまった。
「可愛い女の子2人と飲みにくるなんて、ずいぶんなモテ男ですね」
天使が、俺に話しかけてる…。好き…。
「いや、モテとかじゃなくて、俺なんか、全然っ、恋愛対象として見られてないっすよ!」
童貞か、俺は。ドギマギしすぎだろ。
