
でも、猫系彼氏に振り回されたい
第4章 天使と猫のハーフ
適当に注文を頼んで、完全に男女で別グループに分かれるかたちになってしまった。
「お名前…聞いてもいいですか…?」
いつもなら、初対面の人とも緊張せず話せるのに、天使の目を見ることすらできない。
「ミナトです。君は?」
肩肘をついて、首を傾げながらこちらを見つめている。
「リョウ、です。23歳です…」
「若いねえ、僕は25歳。お仕事はなにしてるの?」
「喫茶店で働いてます。あの、ここの近くの…」
「どこ〜?行きたい」
お酒を飲んで、上目遣いで「行きたい」だなんて、あざとすぎる。幸せかも…。
「公園とか歯医者さんの近くなんですけど、なんて言えばいいかなあ」
「もしかして、女の人がやってるところ?店の中に、ちょっと大きなウサギの置物がある」
「そう!そうです!えっ、来てくれたことあるってことですか!?」
「2回だけ、結構前に行ったと思う。何年も前かなあ…。で、凌くんは何曜日にいるの?」
