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でも、猫系彼氏に振り回されたい

第4章 天使と猫のハーフ


差し出された手を、恋人繋ぎで握る。指はとても細いけど、男らしく関節は角張っている。

白い肌からは想像できないくらい、お酒が入ったからか、あたたかい。

「俺、もう無理かも。湊さんと手繋いだら、本気で好きになっちゃった」

「いいんじゃない、別に〜」

「え、いいの!?」

顔を覗き込むと、嫌そうに、恥ずかしそうにそっぽをむく。

「ねーこっち向いてくださいよ。可愛い顔、見たい」

「手、繋いだからって、態度変わりすぎなんだけど。りょーくん、犬みたい。俺にはブンブンしてるしっぽが見える」

むすっとした顔で俺の目を見つめるの、反則。可愛すぎて、無意識に抱きしめたくなる。

「そりゃ、こんなに素敵な人の目の前で、しっぽふるのやめろって方が難しいですよ」

「俺が飼ってあげようか?」

「えぇ?」

「可愛がってあげるよ。はい、お散歩」

湊さんは、嬉しそうに俺の手を引いてずんずん歩いて行く。一歩遅れて、俺はその後をついていく。

「あ、俺の家、あれです!」

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