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でも、猫系彼氏に振り回されたい

第1章 ツンデレじゃないもん


「…好き」
湊の背中に顔をうずめていると、自然と言葉が口に出た。

「ねー、あつい」
と言いながらもじっと動かない湊。

少し小柄な湊の背中は、痩せて骨張っていて抱き心地も悪い。それなのに、ずっと抱きしめていたくなる。

「抱きしめられるの好きなくせに」
「抱きしめたいだけのくせに。この寂しがり屋め」

ごそっと動いて、湊が俺と向かい合う。
いつ見ても恐ろしいほどに綺麗な顔が間近に迫ると、未だにドギマギしてしまう。

「ねー、顔赤いよ」
湊の手が俺の頬に触れる。少し冷たい手。

「黙って」
顔を見られるのが恥ずかしいから、キスをする。
頬に触れている手に力がこもっているように感じる。

俺も服に手を滑り込ませて、滑らかな肌を撫でる。

「していい?」
「凌のヘンタイ」

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