夢魔
第5章 永劫の楽天地
「……もっと?」
「子供が欲しい。 俺とミーシャの」
女性らしい丸みを帯びた彼女の頬がこれまでで一番朱に染まる。
「俺たちは兄弟で夫婦になる。 だって俺、ミーシャと離れたくないよ……それとも嫌?」
「……嫌じゃ、ないよ」
彼女の声が小さくなったのは、リュカの手がミーシャのスカートの布地を割り始めたからだった。
そんな彼の動きに戸惑いつつも、離れたくない。 そんな彼の言葉を頭の中で何度も反芻する。
(どうしよう。 嬉しいのに胸が苦しい)
リュカとの子供。
突然そう言われて驚いたが、この世で一番近しい存在である男女が愛し合い子供を授かる。
彼女にとってそれは至極自然でいてとても崇高な事の様に思えてきた。
「あ、ぁん……」
ミーシャのちょうど腰の下から腿にかけての生地が忙しなく盛り上がるにつれ、彼女がたまらず声を漏らした。
彼女の体がきちんと大人になるまではと、リュカはそれまでミーシャ触れていなかった。
彼に心を寄せていく程に、それは耐え難くもどかしく、彼女はリュカを渇望した。
(いつかは忘れたけれど、これを私は酷く嫌悪していたような気がする)
けれどもう、ミーシャはそう思っていた事さえあまり覚えていなかった。
だってこんなに嬉しくって気持ちがいい──────
リュカの指先が彼女下着に入り込み、彼女の既に湿りを帯びた肉襞に触れる。
繊細な襞をなぞりそれがしばらくとミーシャの形を探る。
自然と彼女の脚がゆるりと開いた。
そして増やされたもう一本。 それらは両の花びらの端を平行に移動した。
外側の溝に入り込み、二本の指が引き合うと彼女の花びらが重なり、その間から蜜を滲ませる。
下から上へと、上から下へと。 リュカがそれをぬるぬると指先で優しく扱いた。
「あ、そんな…っ」
(お兄ちゃんに……触られてる)
待ち焦がれた行為に彼女の肌が粟立っていた。
まるで腰から下が蕩けそうな、こんな愛撫を受けたのは初めてだった。
衣服の中で密やかに、繊細に自分を弄ぶその彼の動きがミーシャには目に見える様だった。