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夢魔

第5章 永劫の楽天地



「こんなのでそんな反応されると、もっと焦らしたくなるよ……」


そう小さく呟いたリュカが片方の手でミーシャの顎を摘みあげ、つん、つん、とその唇を啄んだ。
それをもっと欲しがる雛のように顔を寄せてくるミーシャが愛おしく感じ、彼がその目を眇ませる。

堪えきれないという風に自身の舌先を彼女の唇の間に押し込んで、ぢゅうう、と音をさせながら紅い唇や睡液ごと、彼自身の口で覆う。


「ふ、うう……」


そう多少は荒々しく求められようとも、こうしているのはあくまで愛情を確かめ合う目的に変わりはない。 ミーシャは熱に浮かされるようにぼうっと彼からの口付けを受け止めていた。
その間もずっとリュカの指先は彼女の蜜に浸っていた。

ドクドク鳴り続ける鼓動が耳にまで聞こえるようで、ミーシャはしょっちゅう小さく息継ぎをした。

(でも、何でかな? こんな風に、大事に触られれば触られるほど……すごく)


木洩れ日が窓辺に佇む二人を照らしていた。
細く頼りなげな光が幾筋も窓から漏れている。
それは粗末な住まいさえも光を浴びて辺りを照らす。
繊細に彩られた陰影は、まるで対峙している美しく幸福な二人を祝福しているかのようだった。


太腿まで捲り上げられたスカートから覗くリュカの手首が上を向く。
その中で彼はミーシャの蜜口に潜り、浅い所にそっと指を差し入れてきた。


「はァ…」


(すごく……いやらしい)


にゅる。にゅる…ちゅ、ぬる。

絡め合う舌が脱力し、互いの心地よい部分を刺激し合う。 リュカがそうするのは勿論ではあったが、彼の事しか見えていないミーシャの方もすぐに上手にそこを見付ける事が出来た。

口付けの間中、蜜口でクルクル遊んでいた指先が充分なぬめりをたたえて花びらの上の芽に触れる。
それは初めはリュカの指が触れるか触れないかの強さだった。



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