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短編集 一区間のラブストーリー

第17章 短編その十七


「俺は、前から一度だけ
あんたを抱きたいと思ってたんだよ!!」

無精ひげの顔が近づいたと思うと、
そのまま強引にキスされた。

『やだ!!汚い!!!』

好きでもない男の唇は
無性に汚らしく思えた。

舌を侵入させてこようと試みる男に対して
顔を左右に振って懸命に逃れようとした。

そして間隙をぬって闇を引き裂くように

「康夫さ~~ん!!助けて!!!」と叫んだ

「無駄だよ…あいつは帰ってこないさ」

執拗に麻里子の顔を舐めながら
左手で胸をまさぐり
右手は股間を責め始めながら明はそう言った。


「あいつは俺に借金があるのさ
賭け麻雀の負債だけどね、
けっこうな金額さ
借金のカタに
あんたを抱かせてくれって言ったら 二つ返事でOKをくれたよ」


『え?』

衝撃的な発言が麻里子の鼓膜で
グヮン、グヮンと渦巻いた。
とたんに抵抗する気力が萎えた。

体が脱力した瞬間を明は見逃さなかった
スキニージーンズのホックを外し、
ジッパーを下げると
尻側から捲るように
スルリとショーツもろとも脱がしてしまった。

右足側だけスニーカーもろとも
足からジーンズとショーツが抜かれた

左足に脱がすのが手間だとばかりに
衣服の残骸のようにへばりついていた。

明は己のジーンズとパンツを
少しだけずらして砲身をむき出しにすると
再び麻里子の体に覆いかぶさった。


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